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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第70章 前夜・交わる想い






「………はい。」





クレアは少し俯きながらも、素直に返事をした。





本当は、自分の部屋に来いと…そう言ってしまいたい。

実際に今、その言葉が喉元まででかかった。

でもリヴァイはすんでの所で飲み込む。

リヴァイの本心はいつだって、クレアの側にいる事だ。時間の許す限りいつだって、いつまでだってこの腕の中に閉じ込めておきたい。




だが…あんな事が起こった後だ。




出血に、生死を彷徨う程の痛みに襲われ、子が流れる苦しみを味わってしまったのだ。


もう全てにおいて日常に戻してよいと医師から言われていたが、せっかく懸命に前を向いて戦おうとしているクレアを傷つける事はもうできない。


どんなに自分の身体がクレアを求めても、悲しい記憶を思い出し、後ろを振り返ってしまう事は決してしてはいけないのだ。


身体を繋げる行為はもっと時間をかけて、クレアの心がしっかり落ち着き、自然と求めてくるまではしない。


リヴァイはそう心に決めていた。




だが、実際に愛しいクレアを目の前にしてしまうと、そんな決心もグラグラと揺れてしまうが、奪還作戦は明日。


クレアに余計な事を考えさせてはいけない。




「じゃあな…」


「は、はい…おやすみなさい…」



リヴァイは軽くハグをして頬にキスをすると、潔くその場から立ち去った。





────────────────




リヴァイと別れた後、言っていた通りに風呂に入り床についたクレア。


準備も点検も完璧だ。


そして明日の訓練は休み。


集合は昼過ぎになるため、もし仮に不備が見つかったとしても午前中に対応できるだろう。


何も心配する事はない。


後はいつもの様に眠るだけだ。




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