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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第70章 前夜・交わる想い






「ふふ、そんなに美味しかったの?」



デイジーはよほど美味しかったのか、空になった皿をいつまでも舐めている。

すっかりピカピカになってしまった皿を下げようとすると、なんだか厩舎の外側から話し声が聞こえてきた。




「誰でしょうか…」


「………」




リヴァイと共に厩舎の外に耳を傾けると、その声の主はエレンとミカサとアルミンだった。











「ほら座って…エレン大丈夫?」


「あ、あぁ…まぁ自分で言うのもなんだけど、オレもっと大事にされた方がいいと思う…」


「なんだかみんな呆れ顔しながらも楽しんでたよ?」


「ヒデェ話し…」


「自分から仕掛けたくせに」










とうやらリヴァイの一撃でぶっ倒れたエレンを、外の風にあてようと2人が連れ出したようだ。

厩舎の外壁に背中をむけて座っているのだろう。

3人の話し声がよく聞こえてきた。





「ねぇ…ウォール・マリアを取り戻して…襲ってくる敵を全部倒したら…また戻れるの?あの時のように…」






なんだか昔話をしてる風に聞こえたのだが、ミカサがポツリと発した言葉に、クレアの胸はチクリと痛んだ。




ミカサの“あの時”がいつをさしているのかはわからないが、おそらくシガンシナ区が襲撃される前の事を言っているのではないかと想像したクレア。


ミカサの言葉は、想像以上にクレアの心に響いた。


クレアにも、取り戻したいモノが沢山ある。



でも、それは…ウォール・マリアを奪還しても、壁の外の世界の敵を全て倒しても、決して取り戻す事はできないのだ。



ミカサは全てを悟っているようだったが、口にせずにはいられなかったのだろう。





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