第69章 仲間
「なんだよ、誘ってるのかよ…」
クレアは純粋に昼食の“誘い”をしたのであって、他意は無い。
しかし、少し口角を上げてこちらを見ているリヴァイ。
誤解のない誘い方をしないと後々後悔をする事になりそうだ。
「お誘いはお誘いですが、あくまで“昼食”のお誘いです!!」
「そうかよ…」
抜け目なく釘を刺されてしまったが、めったにないクレアからの誘いだ。
断る理由などありはしない。
「そこまで言うなら仕方ねぇな…今夜はガキ共に譲ってやるよ…」
「ありがとうございます兵長!!嬉しいです!そしたらモブリットさんもここで食べましょうよ!!」
「お、俺か?そういえば、分隊長はミカサからもらっていたんだよな。同席しても差し支えないなら、俺は食堂から持ってこよう。」
「あ、モブリットさん!僕が持ってきますので待っていて下さい!!」
モブリットが食堂まで取りに行こうとすると、気を利かせたアルミンが医務室を飛び出していった。
「すまないなアルミン…」
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アルミンが戻ってきて全員の分が揃うと、医務室は医務室らしからぬ程に賑わい、ドンチャン騒ぎだ。
「おやおや」
すると、奥の仮眠室で仕事をしていた医師が騒ぎに気付いて出てきた。
なんの騒ぎかと思って来てみれば、リヴァイやハンジ達幹部に104期の新兵達が食事を持ち込み大騒ぎ。
皆クレアを見舞ってやって来たのだろう。
ウォール・マリア奪還作戦が目前に迫っているにも関わらず、クレアを中心に皆いい笑顔だ。
医務室で騒ぐなど言語道断であるが、こんな姿を見たら医師も厳しい事は言えなくなってしまった。