第69章 仲間
リヴァイが見舞いに来てくれても大抵誰かがいたため、2人きりになったのはもしかすると倒れた日以来かもしれない。
「あ、ありがとうございます…いただきます…」
こんな自分のために貴重な休憩時間を使って会いに来てくれた事に胸が熱くなったクレアは、頬を染めながら礼を言った。
「食べられそうか?」
「はい。食欲もほぼ戻りました。訓練も予定通り復帰できそうです。」
「そうか、でも無理はするなよ。」
「大丈夫ですよ…もう絶対に倒れるわけにはいきませんので、無理はしません…」
訓練の話やエレン達の事、編入してきた兵士の事…
クレアは自分が休んでいる間に皆がどんな事をしているのか気になって、昼食を口にかきこみながらあれこれとリヴァイを質問攻めにした。
そんな話をしていたら時間はあれよあれよと過ぎていく。
気づけば間もなく午後の訓練が始まる時間だ。
「あっ、もうこんな時間…す、すみません兵長。今皆さんがどんな訓練をしてるのか気になってしまって…つい…せっかく来てくださったのに訓練の話ばかりしてしまいましたね…」
「そんなの、お前は気にしなくていい…」
「あ…ありがとうございます…」
訓練に戻ってしまうのは少し寂しいが、久しぶりにリヴァイと2人で過ごせた時間は、クレアの回復力を一段とアップさせたに違いない。
その証拠に空っぽになってしまった下腹部に手を当てても、クレアの心は温かく穏やかだった。
「……気持ちは、落ち着いてるか?」
腹に手を当てているその表情はとても柔らかかったが、リヴァイはクレアの口から直接確認をしたくて問いかける。