第69章 仲間
クレアも訓練兵団や調査兵団入団当初はミカサの様な雰囲気をしていた。
あの時ハンジが無理矢理にでも皆と馴染めるように放り込んでくれなければ…
また、皆が気さくに話しかけてくれなければ、自分はここまで変わる事はできなかっただろう。
ミカサは無表情で口数が少ない。
なんとなく共感できるものもあったが、当時の自分とは明らかに違う点がある。
それは、ミカサにはずっとエレンとアルミンがいた事だ。
ありのままのミカサを受け入れ理解してくれる人間がずっと側に2人もいた。
だからこそミカサは“無口最強キャラ”として104期には欠かせない存在となったのだろう。
クレアは強さや内面的な部分ではミカサと似通う所があったが、エレンやアルミンの様な存在はいなかった。
家業の診療所を手伝ってた時も、訓練兵団でも…ハンジに出会い調査兵団に入団するまでは、当時の性格が災いしてか、ずっと1人だった。
調査兵団に入団して大きく変わった今の自分も決して嫌いではなかったが、お互いのありのままを受け入れて、仲間として親しくしている104期のこの6人を見ていると、なんだか羨ましく思う気持ちもある。
そんな彼らをみてふと思い出すのはフレイア達のこと。
フレイアにリリアン、アンドレとは年は違ったが、彼ら104期の様にワイワイと楽しく過ごしていた。
そして同い年だったペトラとは…
親しくなる前に死に別れてしまった。
そんな事を思い出したらチクリと胸が痛んでしまったクレア。
「クレアさん?どうしましたか?どこか痛みますか?」
「え?!」
すると、急に真顔で黙り込んでしまったクレアを心配してアルミンが声をかけてきた。