第69章 仲間
「俺!クレアさんの復帰、心待ちにしてますから。周りの編入してきた兵士達も、朝クレアさんの姿が見えないと、なんだが明らかにガッカリしています。」
「え?そうなの?なんで?」
ジャンの言葉にクレアは驚きキョトンとしてしまう。
クレアが訓練を休む本当の理由を知っているのは、ハンジにリヴァイ、モブリットとエルヴィンの4人だけだ。
あの時104期は、クレアの倒れた現場に居合わせてはいたが、彼らを含む全兵士には“体調不良により療養中”とだけしか伝えられていなかった。
そのため、毎朝クレアが復帰してるかどうかは気になるところなのだろう。
「そりゃあ!みんなクレアさんの立体機動装置の腕前を拝みたいんですよ。隙あらば個人レクチャーを申し込もうとしてる輩なんかもいるので、注意して下さいね!!」
「そ、そうなの?立体機動装置の腕前なら兵長がいるし、兵長に話しかけずらいならミカサがいるじゃない…?!何も私でなくても…」
「もう!クレアさんは何もわかってないです!」
すると、今度はコニーが乱入してきた。
「リヴァイ兵長もミカサも、とてもじゃないけどお気軽に話しかけようなんて気になりませんよ!俺が編入兵士だったら、年が近くてもミカサには話しかけられませんね!」
「コニー…それどういう意味?!」
ミカサが無表情に突っ込みを入れるがすかさずサシャが割り込んでくる。
「やっぱりみんな、笑顔の優しいクレアさんに教えてもらいたいんですよ。」
「そ、そうかなぁ…?」
苦笑いで答えたが、クレアはミカサに関してはなんとなく他人事には思えなかった。