第68章 出会いと別れ
「クレア…そんなに…自分を責めるな。ほら、こっちを向け…」
「いいえ…いいえできません!!私…兵長に合わせる顔なんて…ございません!!」
自身を責めるばかりで顔すら見せてくれないクレアに、リヴァイはイスから立ち上がると、少し強引に肩を掴んだ。
どんな言葉でクレアが救われるかなんて、今の自分にはわからない。
どんな行動が正しいのかもわからない。
だが、自身を責めて1人で泣いているクレアをただただ見てるだけなど、当たり前だができるはずがない。
リヴァイは掴んだ肩に力を入れて自身の方を向かせると、そのままクレアを抱きしめた。
「あぁ…兵長…ダメです…こんなの…私が許せないのに…」
「離さない…いや、離してなんてやらない。お前が自分を責めるのをやめるまで、このままだ…」
「うっ…うぅ……そんなぁ……」
リヴァイは抱きしめる腕に少し力を加えると、自分の想いをクレアに聞かせた。
「俺だって同じだ……」
「………!?」
「俺は、お前の命が助かって心底安心している。子供が流れた事よりも…お前が無事でホッとしている…今の俺の中ではお前の命が最優先なんだ。身体を重ねていれば、こうなる可能性はゼロではなくなる。知っていながらお前を抱いていたのは紛れもなくこの俺だ。身籠ってる事に気付かなかったとはいえ…最低な人間だ…」
そう言うと、リヴァイの腕の中にいるクレアは力の限り首を振ってリヴァイの言葉を否定する。
「そんな…兵長は…兵長は何も悪くないです…だから…そんな事…最低な人間だなんて…仰らないで下さい…!!」