• テキストサイズ

ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第68章 出会いと別れ






「なんだろう…」



その光はクレアに向かって一直線に向かってくると、クルクルとじゃれる様にクレアの身体の周りを回りだした。



その不思議な光は小さな星屑が何千、何万も集まった集合体の様で、キラキラ光りながらクレアの側を離れない。




「……なんだか、温かい……」




その光が温かくクレアを包むと、少しずつ腹部の痛みが和らいできた。




「…………」




すると、今度はどこからか声が聞こえてくる。







『お母さん…』



『ママ…』



『お母ちゃん…』



『お母様…』





幼い子供の声の様だが男か女かは声だけではわからない。いったいどこから聞こえてきてるのだろうか。

そんな事を考えていたら、まるで心の中を読まれたかのように返事が返ってくる。




『ここだよ!!』


「え?!この声は…あ、あなた…なの?」




なんとその声の主は、クレアの身体をクルクルと回る光の集合体だった。




『そうだよ…ママ…』



「……!?」




ママ…?!


この光は自分の事を“ママ”と呼んだ。


まさか……もしかして……


ここでやっとクレアは気付く。


この声の主は自分の胎内に宿った小さな命だという事に。





「あなた…、もしかして…私のお腹にいた赤ちゃんなの…?!」



『うん、やっと気づいてくれたね。』





クレアと意思の疎通がとれたその光は、嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねるように回りだす。



「…………」



だが、クレアはこの状況を冷静に分析すると、嬉しそうに跳ねる光とは真逆に、その顔を曇らせた。









/ 1981ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp