第68章 出会いと別れ
「そうでしたか…初期の流産ならば、そこまで珍しい事ではありません…ですが、もし、受精卵が子宮以外の場所に着床していた場合…子宮外妊娠となります。そうなると卵管破裂などを起こす場合があり、大出血を伴う非常に危険な事態となります。」
クレアの妊娠に流産に大出血の危険…
ハンジもリヴァイも頭の中が真っ白だ。
だが、リヴァイはクレアと恋人関係。
ここで呆然と突っ立っていていいわけがない。
リヴァイは必死に頭を働かせた。
「先生、クレアがもし本当に妊娠しているのなら、初期の流産なのか、子宮外妊娠なのか、今すぐ診断する事はできるのか?」
大出血など起こしたら命が危ない。
初期の流産ならいいというわけでは決してないが、クレアの命が最優先だ。
「申し訳ございません!!私は専門医ではないので、すぐに診断ができません。ですが、トロスト区内に知り合いの婦人科医がおります。早馬を出して往診を頼みましょう。」
「それなら俺がダスゲニーを出す。直接行って連れてくるならアイツが1番早いからな…」
「承知致しました!すぐに伝言を書きますのでお待ちください!!」
医師は急いで机の引き出しをあけてクレアの症状を書くと、直筆のサインを入れてリヴァイに持たせた。
「診療所はこのメモの通りです。ここに到着するまで止血剤を投与して待っていると伝えて下さい…」
「了解だ…先生…それにハンジ、クレアを頼んだぞ!」
「リヴァイ…」
リヴァイは医師から手紙を受け取ると、医務室から飛び出すように出ていった。