第68章 出会いと別れ
ただ事では無いのは容易に想像がつく。
「おいハンジ!急ぐぞ!!」
「う、うん…!!」
リヴァイとハンジは大急ぎで医務室へと向かった。
ーバタンッ!!ー
「先生いますか?!っていたいたー!あーよかった!先生お願い!!早く!!」
勢いよく扉をあけたハンジは医師がカルテの整理をしている姿を見ると、ひとまずホッとした。
医師は時々学会などで不在にしている事もあるのだ。
今日がその日でなくて本当によかった。
「ハンジ分隊長に…リヴァイ兵長…それに…クレア君ですか?」
いきなり飛び込んできた3人に少し驚くが、医師は抱えていたカルテを一旦机に置くと、すぐにベッドへ寝かせるように促した。
「あぁ…頼む……吐いて腹痛を訴えている。喋るのもキツそうだ。」
リヴァイがクレアをベッドに寝かすと、やはり医師も真っ赤に染まっている下半身に注目する。
「この出血はいつからですか?」
「ここまでの出血に気づいたのは今さっきだ。だが、コイツは今朝から調子が悪そうだった。」
「今朝から…ですか?」
「顔色が悪かったので、私も訓練は休むようにすすめたのですが、本人は生理だから大丈夫といって聞かなくて…先程まで立体機動装置での訓練に参加していました。」
「なるほど、生理…ですか…」
出血は止まる事なく、ジワジワとシーツにも真っ赤なシミを描いている。
原因を特定して早急に処置をしなければ危ない。
「その生理というのが気になりますね…クレア君、苦しい所すまないが、いくつか質問をさせてくれないか。ここ最近の生理周期は順調だったかい?」
脂汗をかいて苦しそうに息をしているクレアは、小さく首を縦に振った。