第68章 出会いと別れ
「リヴァイ兵長…訓練の指揮は私がかわりますので…クレアをお願いします!さっ、104期のみんな、水を飲んだら訓練再開だ。リヴァイ兵長は体調崩したクレアを医務室へ連れて行く。指揮は俺が任されたので宜しく頼むよ!」
「クレアさん…」
なりふりかまってはいられず、自分に都合のいい解釈をして指揮を丸投げにしてしまったが、モブリットは快く彼らの指揮を引き受けてくれた。
リヴァイの気持ちを察したのだろう。
心配そうに様子を見ていた104期に水を飲ませると、モブリットはパンッと手を叩いて訓練場へと戻らせた。
「クレア…立てるか?」
「………」
クレアはリヴァイの問いかけに返事をする事ができず、小さく首を振って答える。
「了解した…だが、うずくまってたら抱きかかえる事もできねぇ。すぐに医務室のベッドまで連れて行ってやるから…ほら、少し身体を起こしてくれ…」
「うぅ…あぁ…!!」
全身に力を入れて痛みをごまかしていたのだろう。
ガチガチと震える身体を起こして抱き上げたのだが、まさかの事態にリヴァイもハンジも絶句してしまった。
「これは…いったい…」
「クレア…」
抱き上げると、クレアの白い兵服のズボンが、下半身を中心に真っ赤な血で染まっていた。
クレアは生理だと言っていたから出血があるのは当然といえば当然だが、この量は明らかにおかしい。
陰部を中心に血のシミは広がり地面へと滴っている。
そしてクレアの顔は脂汗をびっしょりとかいていて、顔色も唇の色も悪い。