第68章 出会いと別れ
午前中は立体機動を使っての訓練だった。
体調は変わらず悪いままだったが、クレアは怪我だけはしない様にと立体機動装置の点検をいつもより念入りに済ませてから集合場所へ行ったのだが…
「おはようクレア!!ってあれ…?顔色悪くない?大丈夫?!」
リヴァイ同様ハンジからも心配されてしまった。
「だ、大丈夫です…ただちょっと生理がきてしまって…そのせいですので何も…」
「えぇ?本当にそれだけ?!」
「クレア、理由が何であれ体調が悪いなら休んだ方がよくないか…?」
滅多に体調を崩さないクレアにモブリットも心配顔だ。
「本当に大丈夫です!無理だと思ったらすぐに休みますので…さ、行きましょう!もう間もなく訓練開始ですよ!?」
そう言うと、心配そうにしている2人に背中を向けてクレアは走って行ってしまった。
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時間になると、クレアはさっそく森の中へ入り、巨人の模型を使った討伐訓練に参加したのだが…
「……クッ!!」
身体が鉛のように重くていつもの様に飛ぶ事ができない。
それだけではない。
いつもなら意識しなくてもできていた1つ1つの判断が確実に遅くなっている。
周りを見れば編入してきた同い年くらいの兵士もいた。
クレアは彼らに負けない様、いつもの動きを出そうと必死に頭を働かせた。
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今季節は夏真っ盛り。
この時期は訓練の途中に何度か水分補給のため小休止が設けられている。
この間に冷たい水を飲んだり、頭から水を被ったりと、少しでも暑さから逃れようと皆それぞれ工夫をしている。
クレアも皆と同じように水を飲もうと、足元をフラつかせながらなんとか水道まで向かった。