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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第67章 約束






もし自分以外の男がタリアを…


そんな事が一瞬頭をよぎっただけで、自分の腹の中はよくわからないドス黒いモノで一杯になった。


自分の中にこんな感情が芽生えるなんて、モブリット自身でも驚きだ。



「クソッ……」



いてもたってもいられなくなったモブリットは気づけば全速力で走っていた。


走って、走って、走って…


タリアの働く例の仕立て屋の前にたどり着くと、扉を力任せに勢いよく開いた。





「はぁ…はぁ…タリアは、いますか?」




カウンターに仏頂面で座っている年配の女店主に合言葉を告げると、モブリットは早々にタリアを指名した。



「…………」



しばし無言になってしまった店主。

この所姿を見せなかったため、タリアに飽きたのだろうと思っていた様だ。

息を切らしながら店に入ってきたモブリットに、店主は多少なりとも驚きを隠せなかった。




「…タリアなら客引きに出ている。指名したいなら中の客室で待っていておくれ。」




「あ、あぁ…わかった…」



そう返事をすると、店主は中から別の女を呼び、モブリットを部屋へと案内させた。














元気にしているだろうか…

しばらく顔を見せていなかったために忘れられてしまってるだろうか…

ベッドに腰掛けて期待と不安で胸を押さえながらタリアがやってくるのを待つモブリット。

催淫効果のある香が焚かれているため、期待も不安も勝手に増長してしまう。


せる気持ちをなんとか鎮めながら待つこと30分。




静かな室内に乾いたノック音が響いた。




「モブリット?私よ…タリアよ!」



扉の外で、聞きたかった声に名を呼ばれたモブリットは1秒でも早くその姿を見たくて、返事をするのも忘れて立ち上がると、一目散に扉をあけた。





「タリア!!」


「モブリット!!!」





今まで会いに来れなかった理由をどう説明しようかと狼狽えていたら、タリアは何も言わずにモブリットの胸の中に飛び込んできた。






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