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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第66章 クーデターのその後





ウォール・マリア奪還作戦に向けての準備も、光る鉱石が力を発揮し、シガンシナ区までの夜間順路開拓も半分を超える距離まで確保できた。



新兵器の導入も含めて、1ヶ月後には奪還作戦が決行できそうだ。



だが、全てが順風満帆というわけではない。



ケニーが最後リヴァイに託した巨人化する注射器。

この薬液の中身は不明なままだった。

人間の脊髄液由来の成分ではあるようだが、この液体は空気に触れるとたちまち気化してしまうため分析は困難だ。


そのため、無理に分析を試みるよりも、有事の際、延命できる最終手段として使用される事になった。


有事の際、それがどんな状況下になるかわからない。


保管と使用の権限は、最も生存率の高いリヴァイが引き受ける事となった。







そんな中、エレンの記憶の断片が突然蘇った。


それは、父親がレイス家一家を殺害した後に会っていた男の事だ。


調査兵団の兵服を着ていた男。


その男の正体がわかれば、父親がどんな人間であったか聞くこともできる。


だが、エレンはその男が誰なのかわからずずっと頭を悩ませていたのだが、ジャン達との会話がきっかけでその人物が誰なのか判明した。



エレンの思い出したその人物は、かつて調査兵団の団長を務めていたキース・シャーディスだった。













翌日、ハンジ達と共にかつて世話になっていた訓練兵団まで訪れると、キースは、彼らが何を聞きに来たのか悟ったのか、自身の教官室に通すと包み隠さず当時の事を語ってくれたのだが…



その内容はエレン達の想像をこえていた。




「クレア・トート、サシャ・ブラウス…どうした?お前らは座らんのか?」




「「いいえ!!わたくしめはこちらで結構です!!」」



部屋の隅に立っていたクレアとサシャは敬礼をしながら答える。



「あれ…クレアさんも?ですか?」



「う…うん……」




2人共この部屋で絞られ、怒鳴られた苦い経験があるためか、キース教官を直視できず部屋の隅に立っているので精一杯だった。




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