第65章 女王、ヒストリア・レイスの即位
「本当ですか?!じゃあ、戴冠式が終わったら、実行しちゃいます!!」
「フフフ、兵長どんな顔をするかしら。」
クレアは2本の編み込みを毛先まできっちり編むと、下の方で交差させてまとめ、ピンで止めた。
「できた。これでいかがですか?女王様?」
クレアが手鏡を取って合わせ鏡をしてやると、美しく編み込まれた髪に、ヒストリアは目をパチクリさせて驚いた。
「…す、すごいです!!すごくキレイ!ありがとうございます!!」
「気に入って頂けて光栄です。」
「なんだか本当にクレアさんの素敵さにあやかれた様な気がします。本当にありがとうございました!!」
ヒストリアはクレアの手を握って礼を言うと控室の扉がノックされ、外で待機していた憲兵が扉越しに声をかけてきた。
「女王陛下、お時間でございます。」
「あら、もうそんな時間…ヒストリア、戴冠式ちゃんと見てるからね!!」
「はい!!ありがとうございました!」
クレアは敬礼をすると、走って外の会場まで急いだ。
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「はぁ…はぁ…ギリギリ…間に合いましたでしょうか?」
走ってリヴァイの元まで戻ると、すでにヒストリアは舞台に立ち、民衆の歓声を浴びていた。
「あの少女が壁の倍もある巨人を倒したって?」
「あぁ、オルブド区の住民が目撃してんだ!」
「影の王である父親の暴走を自らの手で鎮められたのだ。」
「我が壁の真の王よ!!」
「ヒストリア女王!!」
その歓声は全てヒストリアを支持するモノだった。