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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第65章 女王、ヒストリア・レイスの即位





「ケニーとの事か?」



「はい……」



クレアはリヴァイがあの時、礼拝堂まで戻ってケニーを探しに行った事を知っていた。

そのため、リヴァイがケニーに会えたのか、話はできたのか、気になっていた。



「そういえば何も話してなかったな…あの後、礼拝堂から少し離れた森で、大火傷に大量出血で瀕死の状態のケニーを発見したんだ。部下は皆洞窟の崩落で死亡、生き残ったのはケニーだけだった。そんな状態だからな…ろくな話はできなかった。だが、ヤツは俺の母親の兄貴だった…」



「え…お母様の…?では…」



「あぁ、フレーゲルの話にも出ていたが、俺の姓もアッカーマンらしい。ミカサと親戚にあたるのかどうかまではわからねぇが、この俺もアッカーマン一族だというのなら、力に目覚めた瞬間がこの俺にもあった話にも合点がいく。」



「そ、そんな…ではなんでケニーさんは兵長の側から姿を消したのですか?」



「あいつは、ロッド・レイスの弟に、特別な感情を抱いていた。“大いなる野望のためなら殺しまくりだ”って台詞の出所も、姿を消した理由もおそらくそこだ。それに“俺は人の親にはなれねぇよ”が最後俺に言った言葉だ…まぁ、ケニーらしいといえばケニーらしい…」



「そう…だったんですか…」



「まだまだ聞きたい事はあったが、まぁ…これで良かったとも思ってる。それと…最後の最後にヤツがロッド・レイスの鞄からくすねたっていう巨人化する注射器を託された。今はエルヴィンとザックレー総統が厳重に保管をしている。これが何かの役に立てばいいんだがな…」



「兵長……」



リヴァイはいつもと同じ表情で、いつもと同じ口調だ。感傷にひたってる様にも見えない。


だが、血の繋がった身内が亡くなったのだ。


クレアはリヴァイが表に出さない気持ちを共有したくて、すぐ隣にある手を握ろうとしたのだが、背後から元気な声で名前を呼ばれてしまい、クレアは反射的に自身の手を引っ込めてしまった。



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