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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第64章 それぞれの決断に、変わる風向き






「こうして…こうやって…そして私も…えっと…」


クレアはヒストリアの髪を高い位置に結び直すと、今度は自分の髪の毛も結い直す。

そしてポケットをポンポンと叩くと、数本のヘアピンを出し、髪の毛を結び目にくるくると巻きつけピンで固定した。



「ほら、これでヒストリアと私、同じ髪型になった。」



「あ……」




クレアはヒストリアと同じ長さになったポニーテールの先をユラユラと揺らして得意気に見せた。




すると、壁上固定砲の発砲音が鳴り響く中、風向きが大きく変わってしまう。




ーヒョォォォォォォォォォ!!ー




「な、何!?」



「風向きが変わったのよ!ヒストリア!危険だわ!」




大砲で舞った砂埃がロッド・レイスによって発せられている熱で高温になって兵士達に襲いかかる。


もう壁の真下まで来ているはず。


このままではヒストリアが危険だ。




「間もなく団長から爆破の命令が出るはずよ!!ヒストリア!早く!!私がさっき言った場所に隠れてて!」


「は…はい!!」



「あ!あと、お父さんに…伝えたい事…ある?」



「え…?」



まさかのクレアの言葉にヒストリアは驚きの表情を見せたが、ほんの数秒、俯いて考えると顔を上げてクレアに自分の想いを託した。






「私は、私の選択を信じて生きていく…と伝えて下さい…」







そう言って敬礼をすると、ヒストリアは立体起動装置を使って壁を飛び降りて行った。













「うっ……!!」



焼けるような熱風を受けながら状況を確認しようと振り向くと、ロッド・レイスはその長い腕を伸ばし、壁に手をかけているではないか。




「巨人だぁぁぁ!!!」



「うぁぁぁぁぁ!!」




「待て!パニックになるな!勝手に行動するな!!」





両手をかけて壁の中を覗くその不気味な姿に民衆はパニックを起こし、前代未聞の出来事に駐屯兵も大騒ぎだ。



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