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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第64章 それぞれの決断に、変わる風向き






クレアもグリシャ・イェーガーを知る人物の1人だ。

ミカサとアルミンと同意見だった。




「地下室って、あぁ…あれですね?つまり…大事ですね?」


「あぁ!そうだ!大事だ…!」


「壁の穴を塞ぐ目処がようやく立ったんだ。選択肢は1つしかねぇだろ…」



サシャとコニーの理解力に多少の不安は残るが、ジャン達も同意見。







始祖の巨人の力にはまだ不測の要素がある事。


エレンが硬質化の力を手に入れた事。


エレンの父グリシャ・イェーガーにはまだ明らかになっていない真実があるかもしれない事。


エレンの生家の地下室に隠された秘密。





この様な重要点がピックアップされると、自然とエレンをレイス家の人間に食わせるという選択肢は無くなる。




「少しはマシになってきたな…」



方向性がまとまってくるとリヴァイはやれやれとばかりに呟いた。



「私もそっちの選択肢に賛成だ。けど…いいのかいヒストリア?用がなければあの巨人をこの壁の中で自由に散歩させてあげるわけにもいかない。あのサイズじゃあ拘束もできそうにない……つまり、君のお父さんを殺す他なくなるって事だよ…」




「…………」




ハンジは煙を上げながらノロノロと進む巨大な巨人を指さしながらヒストリアの意志を再確認した。


エレンの中に“始祖の巨人”の力を入れておくのが吉と判断するのなら、ロッド・レイスはここで殺さなくてはならない。



ヒストリはもう面影すらなくなった父の姿をじっと見つめて改めて考える。



きっとあの時…棺から出されて再会した時にされた抱擁には、特に大きな意味などなかったのだろう。


家族の愛を知らずに育った自分は、あの抱擁には特別な意味が、理由があると思いたかったのだ。


だがそんなものはただの幻想でしかなかった。





「…エレンごめんなさい…私、あの時巨人になってあなたを殺そうと本気で思ってた…お父さんが間違ってないって…思いたかった…私はお父さんから愛されてるって、信じたかったんだ…」



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