第64章 それぞれの決断に、変わる風向き
「「は、はい!!!」」
マルロとヒッチは返事をすると、繋いでいた馬を大急ぎで移動した。
「ハンジさんは傷に障るので、動かないで下さいね!!」
「う…うん……」
馬車の荷台からおりて手伝おうとしているハンジに、クレアは動かないでとクギを打つと、荷台を馬に繫いで移動させた。
「これで、全部?…ヒッチ、荷物も全部移動できたかしら??」
「クレアさん!これで全部です!」
「ありがとう!こうしておけば、馬は安全だわ…」
少し息を上げて荷物の忘れ物がないか周りを見渡していたら、再び地面が大きく揺れだし、繋ぎ直した馬が怯えて暴れだしてしまった。
「キャァァ!!何この揺れ?!ハ、ハンジさん…?大丈夫ですか?みんなも落ち着いて!大丈夫だから…」
クレアは怯える馬達を1頭1頭なだめるが、地鳴りに揺れは収まるどころかどんどん激しくなっていく。
地下の洞窟ではいったい何が起こっているのだろうか…
このままでは地面そのものが割れてしまいそうだ。
マルロもヒッチもこんな状況に不安な表情をしている。
「みんな……」
この揺れは尋常じゃない。
地下の洞窟は…仲間達は…どんな状態なのだ。
クレアも不安でいっぱいになり、馬をなだめながら礼拝堂の方を見たその時だった。
ーガガガガガガッ!!!!ー
「キャア!!!」
轟音と共に立っていられない程の大きな揺れ。
まさか…
まさかとは思うが…
「クレア、マルロ、ヒッチ!!あそこを見ろ!!」
「え…!?」
ハンジの指さした方向を見ると、地面に亀裂が入り、その亀裂に沿って礼拝堂周囲の地面が割れ始めた。
「嘘…でしょ……?!!」
まさか本当に地面が割れるなんて…
クレアはリヴァイ達や無事を確認すべく割れた地面に向かって走りだす。