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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第64章 それぞれの決断に、変わる風向き





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「お…お父さん…!!」



小太りのロッド・レイスも、鍛えた身体の長身ケニーに締め上げられてしまえば、子供の様に地面から離れた足をバタつかせてしまう。



「私が…嘘を言ってると思うか?」



「いいや…この瞬間だけは嘘をつかねぇハズだと思ったからこの日を待ったんだ。大事な継承の儀式なんだろ?まったく俺の気持ちに気付いておきながら俺を散々翻弄し…利用してくれたもんだな。この色男がよぉ…こんな手を使っていったい何人の使用人と寝たんだよ…あぁ?!まったくウーリと兄弟とは思えねぇぜ!」



実の父親を侮辱されて気分を害したのかは分からぬが、ヒストリアはケニーの持っている銃口に飛びつき睨み上げる。


「父を…離せ…!!」


「あぁ…お前は何って哀れなんだヒストリア…あそこまで聞けば分かっただろ?このオヤジはお前を化け物に変えて、エレンを食わせようとしてんだとよ。」


「それが…私の使命でしょ?そう…私はエレンを食って!姉さんを取り返す!そして世界の歴史を継承して、この世から巨人を駆逐する!!それが私の使命よ!!」



ヒストリアはこれが使命だと叫ぶが、その叫び声の裏には父に対する払拭しきれない戸惑いや、自身に懸命に言い聞かせるような…無理矢理感が伺えた。



そんな感情をすぐに見破ったケニーは、ロッド・レイスがいかに卑劣な男であるかを説いてみせた。


ヒストリアの母親との関係や、なぜ5年前突然姿を現したのか、そしてフリーダから「巨人の力」が奪われた事を隠そうとしてきた事など全てを喋った。




「こいつのせいでしこたま消えたぜ?!尊い命とやらがよぉ!!だがこいつにとっちゃどうでもいい事だ!!家族も!!人類も!!もちろんヒストリアお前もな!!あるのは自分の保身のみ!!どうだこれがお前の父親だ!!」



「…………っ!!」



「違うぞ…ヒストリア…他の者を信用しては…いけない……」




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