第64章 それぞれの決断に、変わる風向き
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リヴァイ達は村の民家に立ち寄り、休憩がてらレイス卿領地の場所の確認をとったいた。
「……という事だ。わかったか?切り裂きケニーだ、奴がいればそれが1番の障害になる。脅威の度合いで言えば…敵に俺がいると思え。イヤ…あの武器がある分俺よりも厄介だ。」
「そ、そんなぁ…それでは無理ですよ私達じゃ…」
「兵団との合流を待つっていうのは…?」
敵にリヴァイより強い人間がいるなど想像を絶する。
サシャとコニーは早くも逃げ腰だ。
「絶対ダメ!」
「そう!絶対ダメだ!朝まで待ってたらエレンが食われちゃうかもしれないから!だろ?あぁ!俺だって分かってるよ!!」
「コニー…」
調査兵団の部隊ももうこちらに向かって出発しているはずだ。
だが、ミカサやハンジの言う通り朝まで待っていたら手遅れになるかもしれない。
相手の人数がわからない上に、切り裂きケニーというリヴァイ以上の脅威を今ここにいる人数で相手にしなくてはならないのが現実の様だ。
「でも…兵長の話を聞く限り弱点が無いってわけでもないと思うな…」
「本当かアルミン?」
「訓練を積んでても実戦経験がこの数日が初ということならなおさらだ。…しかし一緒に暮らしていてそれしか切り裂きケニーの情報が無いってどういう事だよ…リヴァイ?」
「悪いな…奴のフルネームを知ったのも、あのヒゲ男に聞いたのが初めてだ。ケニー・アッカーマンって名前らしいが…お前の親戚だったりしてな。」
「…………」
ミカサの姓も“アッカーマン”だ。
リヴァイは特に深い理由もなく投げかけた言葉だったのだが、ミカサは自身の姓の事情を知っていたらしくポツリポツリと話し始めた。
「…生前の両親の話では…父の姓“アッカーマン家”は、都市部で迫害を受けていたと聞きました。」
「………!!」
思ってもみなかった話題に、皆口を閉じミカサの話に耳を傾けた。