第64章 それぞれの決断に、変わる風向き
「そしてこれはヒストリアの母が中央憲兵に殺される数日前の出来事なんだ。ロッド・レイスは家族を失った直後に突然ヒストリアに接触を図った。この辺りに連中がヒストリアを求める理由があるのどろうけど…」
「血縁関係か…その血にタネか仕掛けがあるって事だな?ハンジ!2人の居場所はどこだ?」
馬上から話を聞いていたリヴァイがハンジに問いかける。
「そうだね…今はこの事は一旦置いておこう。私が気になったのは礼拝堂が全壊したところにある。」
「………!?」
「というのも、その礼拝堂は木造ではなく、大半が石造りの頑丈なものなんだ。まぁ、石造りの建物でも確かに火を受ければもロクもなるだろうが…たまたま盗賊が攻城兵器を持ち合わせていたとしてだ。なぜただの盗っ人が建物なんか破壊する必要がある?本当に盗賊の仕業であれば取るもん取ってさっさと逃げるべきだろう。そしてその盗賊を見たのはロッド・レイスただ1人。また彼は自らの資産ですぐにその礼拝堂を建て直したんだって…何故だろう?」
家族が殺された直後に隠し子ヒストリアに接触を図った事。
盗賊の仕業だというのに、家族が殺されさらに礼拝堂を全壊にされた事。
そして目撃者はロッド・レイスただ1人。
この話だけでも点と点が1本の線で繋がりそうだ。
「ハンジさん!もしかしてそれって……ふっふぐ!!」
ハンジと共に荷台に乗っていたクレアがその真意に迫ろうとしたのだが、ハンジが勢いよくその口を塞いでしまった。
「まーってクレア!やっぱり私に言わせてぇぇぇ!!」
「うぅ…ふぐぅ…!!」
何故だろうと問いかけのはハンジだというのに、やはり最後まで自分で話したくなった様だ。
「もはやここに巨人の存在が無かったという方が不思議なくらいだ。これが私の早合点だとしてもこんだけ怪しければ十分我々が今ここに向かう価値はあるはずだ!」