第64章 それぞれの決断に、変わる風向き

「うるせぇよ…エレンとクリスタの居場所を言え…」



「し、知らない！！本当にほとんどの事は教えられてないんだ！！ケニー・アッカーマンはとても用心深い！！」



「アッカーマン…？！それがケニーの…ヤツの姓か？」


「そうだが……」


ケニーの姓を聞くのは初めてだったリヴァイ。

自身の班にも同じ姓をもつ兵士がいる。

これはただの偶然だろうか。




「まぁ確かに…ヤツは教えねぇよな。大事な事は特に…しかし心当たりくらいあるだろう？思い出すまで頑張ろうか？まだ骨は何本もある事だしな…」



「あんたは…まともじゃない…」



「かもな…」




リヴァイは次はどの骨でいくか考えを巡らせていると、突然サシャが弓を構える。



「あっちから誰か来ます！！！」



「…！！？」



サシャの一声で、全員息を殺して銃を抱え狙いを定める。

その場が一気に緊張感で張り詰める。




「言ったろ兵長…もう無駄なんだよ…何もかもな…お前達のやってきた事を償う時が来た。調査兵団はここで最後だ…！」



「黙ってろ…！！」



「フグッ…！！！」





リヴァイは減らず口のヒゲ男を押し倒し、身動きを封じると、サシャの言った方角を見つめた。


何もかも無駄かどうかはまだ分からない。出てきた人物の顔を見て決める。


リヴァイはわずかに揺れる草むらを見つめながらその姿を現すのをじっと待った。





揺れていた草に足音が混じって聞こえる。




段々とこちらに向かって近づいてくる。




敵と判断したら撃つ。





皆冷や汗をかき、緊張も最高潮だ。






しかし………







「リヴァイ、クレア！！それに104期のみんな！！ご苦労様！！」





「ハ、ハンジさん…！？？」



「それに…マルロ…」



「ヒッチ……」






緊張感が走る草原から現れたのはまさかのハンジだった。