第63章 敗北ばかりの調査兵団
ドスッ!!!
狙い通りに兵士の喉元にアンカーが刺さる。
殺ると決めたのなら…
これ以上部下を死なせないと決めたのなら…
容赦などしてられない。
「デュランが殺られた!?」
「こっちに来る!」
「まだ撃つな!!」
「有効射程距離まで待て!!」
有効射程距離なるモノがあるらしいが、今のリヴァイには関係ない。
喉元にアンカーを命中させ殺害した兵士を抱えて盾にして接近し散弾を逃れると、その死体を投げ捨て目の前にいた2人の兵士の首を切った。
「10人以上いやがる…クソッ……早くアイツらに知らせねぇと……」
「逃げるぞ!追え!!」
リヴァイは104期達に知らせるため、全速力でこの現場を後にした。
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「銃声です!!!」
いち早く異変に気づいたのはサシャだった。
「ほら!!!何発も鳴ってますよ!!」
都会の街で銃声が鳴るなど滅多にある事ではない。
コニーにはまったく聞こえていなかった様でポカンとしているが、クレアもよく聞こえなかった。
「ごめん…私もよく聞こえなかったんだけど、銃声って…本当?」
「はい!!間違いありません!」
勘のいいサシャの言う事だ。
リヴァイ達が見つかって戦闘になっているのかもしれない。
「兵長達が見つかったのかもしれない。言われた通りの作戦に変えた方がいいと思うんだけど…」
イマイチ自信の持てなかったクレアはアルミンの方を見て助けを求めてしまった。
「はい、僕もその方が良いかと思います。もし本当に見つかってしまったのならもう尾行といえるか分かりませんが、エレン達を見失うわけには行かないので…行きましょう!」
クレアとアルミンの言葉で、緊急時の動きに方針が決まったのだが、だんだんと遠方から銃声が聞こえてきて、それが近づいてきている事にクレアは気づいた。