第62章 レイス家の真実
「商会の連中は全員死んだか?」
「はい、3人で全員の様です。」
「リーブス…かわいそうに。調査兵団に殺されちまったな。」
「はい、かわいそうですよね。」
「道中は対人立体機動装置を装備しろ。」
「了解です。」
「あんな武力を持った集団を放っておくのは考えモンだったが、ようやく俺ら対人制圧部隊の本領が発揮されるな。」
「〜〜〜…………」
木の影に隠れて運良く死を逃れる事ができたフレーゲル。憲兵の集団が馬車に乗って去っていくと、フレーゲルは、涙を流しながら逃げる様にその場を後にした。
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ーバタンッ!!ー
「エルヴィンいるか?!いたな!!!」
「分隊長!!お急ぎなのはわかりますが、ノックくらいしましょう!!団長…申し訳ありません!!」
その頃、ハンジとモブリットは調査兵団の兵舎に戻ってきていたのだが、エルヴィンが執務室室にいなかったため、自室まで飛んできた。
だが、いつもの様にハンジがノックもせずに扉をあけると、エルヴィンは着替えている最中だった。
「うるさいモブリット!!この非常時に悠長にノックなんてしてられるか!!」
「分隊長…!!」
「エルヴィン!!エレンが巨人についての重大な情報を思い出した!!それが…大変なんだ!!この作戦を考え直した方がいい!エレンはただの夢だったかもしれないから真に受けないで欲しいって言ってたけど!とてもそうは思えない!!これが事実だとしたら飛びそうだ!もちろん私の頭がね!!」
息を上げながら喋るハンジに、エルヴィンはシャツのボタンを止め終えると、黙ってモブリットと2人分の水をグラスに注いだ。
「今すぐ対応すべき……わぁ!!」
「分隊長!少し落ち着いて下さい…!」
「こんな時に落ち着いていられるか!!ってか落ち着いてるよ!!」
勢い余って尻もちをついたハンジにモブリットが声をかけるが、ハンジは興奮したままだ。