第62章 レイス家の真実
「はい!勿論です!!」
2人はキッチンへ向かうと急いで朝食を用意すると、出来上がる頃には皆リビングに集合していた。
だが昨日のサネスへの拷問の様子が筒抜けだったのだろう、皆どんよりとした表情で食卓についている。
「クレア、ハンジはまだ寝てんのか?」
紅茶をすすりながら聞いてきたリヴァイに、クレアはハッとなった。
今朝の出来事を話さなくては。
「あ、違うんです。ハンジさん、エレンが昨夜見た夢のメモ紙をみたら血相を変えてモブリットさんと出て行ってしまったんです。大至急団長と相談しなければならないと言って飛び出して行きました。」
「ったくあのクソメガネが……」
リヴァイは呆れたようにため息をつきながら朝食を食べた。
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そして、朝食を終えて片付けが済むと、昨夜エルヴィンとピクシスの元まで伝達に行っていたニファが、エルヴィンの指示を持って戻ってきた。
「ニファさん!お帰りなさい!お疲れ様でした…」
「クレア、ありがとう!」
クレアが大きめのコップに水を入れて渡してやると、ニファは勢いよく飲み干した。
「ニファ、夜通しの伝達ご苦労だったな……」
「……いいえ。」
「早速だがエルヴィンの伝言を聞かせてくれ。」
「はい!…で、ですが、彼らは……」
ニファは同じ部屋にいた初対面の人間の姿を確認すると、リヴァイの方をチラリと見た。
リーブス商会と手を組む話は聞いていたが、実際に顔を見るのは初めてだった。
「そうか…ニファは会うのは初めてだったな…彼らがリーブス商会だ。問題ない。話せ。」
「は、はい…」
リヴァイの言葉にニファはエルヴィンから預かった指示書を出したのだが
「席を外すくらい何ともねぇよ旦那。」
気を遣ったリーブスは席を立ってしまった。