第62章 レイス家の真実
「弟妹さん…ですか?では、ニファさんはお姉さんなのですね?」
「ん〜、年が離れてるから、姉というか…ちぃママというか…実家では微妙な立ち位置だったけどね。なんだかクレア見てると思い出しちゃうんだよね。」
「そう…なんですか…あの、年が離れてると仰ってましたが…ちなみに弟妹さんはおいくつなんですか?」
「え!?年?えーと、いくつだったかな?もう14とか15歳になるのかな?」
「……………」
そこまで言ってハッとなるニファ。
クレアの表情が、分厚い雨雲で覆われている空よりもどんよりと曇っていくのに気付く。
「あぁ!!ご、ごめん!!今のはね、別にクレアが弟妹と同じ年に見えたとかそんなんじゃなくてね!!単純に可愛いと思ったからであって…!!」
自身の見ための幼さにコンプレックスを持っている事を知っていたニファは慌てて否定をするが、時既に遅し。
クレアはガクッとうなだれてしまった。
「別に…気遣いは不要ですニファさん……どうしたってこの容姿は子供ですから……フレイアの妹、マリアにはとっくに身長抜かれてますし…色々諦めています…ハハハ……う、うぅ……」
自虐的な泣き笑いでショックを誤魔化していると、ニファがクレアの肩にトンと手を置いた。
「ごめんクレア!!ちょっと私も失言した…でもクレアを可愛いと思ってるのは本当の気持ちだから信じて!!お守りの御礼と今のお詫びに、今回の一件が落ち着いたらクレアの好きなケーキをご馳走するよ!!だからお願い!機嫌直して〜!!」
「…ケーキ、ですか?」
思いもよらぬキーワードに、クレアのレーダーがピクリと反応した。
「そうそう!クレア、苺のタルトが好きでしょ?クレアの好きそうなタルトが売ってるお店私知ってるの!連れてってあげるから、一緒に行こう!!」
これこそ子供扱いをするなと怒ってしまいそうたが、ニファはクレアが苺系のタルトに弱い事を知っていた。