第62章 レイス家の真実
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「それで全部か?」
「あぁ……。」
「嘘は無いな?」
「あぁ……。」
全てを話してしまったサネスはもう生ける屍の様に見えたが、その頭の中はラルフに対する怒りでいっぱいだった。
「了解した。明日までここで大人しくできたらベッドを用意してやるよ。」
リヴァイは手袋とエプロンを脱ぎラックに放ると、全員に目配せをし、一旦部屋を出てカギを閉めた。
「おいニファ、アイツの喋った事の記録はとれたか?」
「はい!ちゃんと記録とれました。団長に報告分と、ハンジさん保管分の2部、あります!!」
「そうか…今頃エルヴィンはピクシス司令と密会しているはずだ。すぐに伝達頼めるか?」
「大丈夫です!!」
その返事にハンジがニファへ、エルヴィン達の居場所を伝えると、クレアがボソリと呟いた。
「あの…レイス家が本当の王家だとすると、その…ヒストリアって……」
「そうだ、真の王家の末裔だという事になる。」
「そ、そんな事って…」
「確かに私も驚いたけど、エルヴィンはその辺勘ぐってたみたいだよ。」
「え?そうだったんですかハンジさん?」
「あぁ、もしレイス家の裏付けがとれたらこのクーデターもいよいよ本番だ。ニファがその返事を持って帰ってくるだろう。」
「クーデターの本番…ですか?」
「…ヒストリアを女王として即位させて、王の首をすげ替えるんだ。」
「えぇ!!?」
衝撃の内容に、クレアはハンジとリヴァイの顔を交互に見ながら驚きを隠せなかった。
「そ、そんな事…できるんですか?」
「“できるか?”というより、“やる”んだよ。それしか我々に残された道は無い。」
「ハンジの言う通りだ。詳しい事はエルヴィンが指示を出すはずだ。どんな内容でもちびるなよ…」