• テキストサイズ

ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第62章 レイス家の真実






「休憩しよう……困ったなぁ。なんかかわいそうになっちゃったね…」



自分の信じた道の末路がこんなんではさすがのハンジも同情の言葉を口にしてしまったが、拷問で吐かなければ第2の作戦に移行だ。



「クレア!ちょっと来て!!」



「は、はい!」



ハンジはラックの下に無造作に置いてある布袋をクレアに手渡すと、第2作戦を小さな声で耳打ちしてから部屋を出ていった。



「…………」



ニファもモブリットも出ていってしまったため、今この部屋にはクレアとサネスの2人だけだ。


クレアは布袋をグッと握りながらサネスの元へと足を運ぶと、うなだれていたサネスがその足音に気づいて顔を上げた。



「なんだよ…全員出てったんじゃないのか…?」



「はい……」


サネスはハンジ達がいなくなるのを確認すると、クレアにはやや強気な態度で声をかけてくる。


だがクレアは気にせずゴソゴソと袋の中を探ると、目的の物をその手に掴んだ。



「…何をする気だ?」



「……人間とはか弱き生き物です。傷口から細菌が入れば高熱を出し、あっという間に死んでしまいます。サネスさん、貴方からはまだ調査兵団(こちら)が知りたい情報を話してもらえてません。ここで死なれたら困るので、私が応急処置を致します。」



「なん…だと…?!」



「ご安心下さい。これでも私は医者の娘ですので、間違った処置は致しません。ただ……」



「ただ……なんだよ?」



こんなガキにいったいなにかできる、とでも言いたげな顔でクレアを見ると、その手には大きな瓶が握られていた。



「順番だけは少々前後させて頂きます。」



そう言うと、クレアはフタをあけて爪の剥がれたサネスの手の指めがけて瓶を逆さまにした。



「グッ…!!グァァァァァァ!!!」



クレアがかけたのは高濃度のアルコールだ。

おおかた消毒のつもりでかけたのだろうが、麻酔を打っていない生傷には言いようもない激痛だ。




/ 1981ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp