第62章 レイス家の真実
「そうか…大変だったな。お前らはお前らなりに…頑張った。それはよく分かった。」
ーバキッ!!ー
「ッ〜〜〜!!クッ………!!」
ここまでされても尚自身の正義と信念を曲げないサネス。
リヴァイは本気で関心したのか、はたまたもうこれ以上のやりとりは不毛と感じたのかは不明だが、感情を伴わない労いの言葉をサネスにかけると、右手で鼻をへし折った。
「そろそろ拷問を始めよう…いいか?質問に正確に答えなければお仕置きだ。それじゃあいくぞ…」
リヴァイはゴム手袋に付着した血を神経質にタオルで拭うと、その手をサネスの頭に置いてストレートに問いかけた。
「レイス家とは何だ?」
サネスのこめかみに冷や汗が伝う。
何かを知っているのは明らかだ。
「公には王家との繋がりは浅いとされる、どこの田舎にもある貴族家の1つ、そんな1家系に何故…壁の中の巨人やらを公表する権限がある?ウォール教を使って、民間から壁を遠ざけてんのもレイス家の意志か?そんな事を何故王家でなくレイス家がやっている?知ってる事を全て言え……」
「はっ…お前らほど……」
「まった!」
「ッ……!!」
「答えるのが遅かったよ。お仕置きだ…」
全く喋る気のない態度にハンジが先手をうって“お仕置き”始めた。
今度は口にペンチを突っ込んで歯を抜くつもりらしい。
「虫歯じゃないヤツが抜きたいな…ん?これか?それともこれか?」
「ッ〜〜〜〜!!」
ギリギリと嫌な音を立てながらも、ハンジがつかんだ歯は意外にもあっさり抜けてしまった。
「ガハッ!!」
「ごめん…よく分かんないや…」
「オイ…喋れなくなっちまうだろうが、あまり抜くなよ。」
「え?歯なんてまだいっぱいあるだろ?大丈夫でしょ?」
爪を剥がされ、散々殴られた後に拷問が始まり、答えるまでのタイムリミットもおかしな程短い。
今までサネス自身も実践した事のない拷問スタイルに、発狂寸前だ。