第62章 レイス家の真実
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「あら……」
洗濯物を終わらせた104期と遅めの昼食をとっていると、建物の入り口付近がガタガタと騒がしくなっているのに気づいたクレア。
きっとハンジ達が戻ってきたのだ。
「あ…ハンジさん達戻ってきたみたい…私、ちょっと手伝ってくるからここの後片付けをお願いしてもいいかしら?」
クレアがそう言うと皆返事はしたものの、その表情は険しい。
その表情から察するに、この後行われる事が分かっているのだろう。
「片付けが済んだらみんなでここにいてちょうだい。なにもしなくていいから…」
「クレアさん……」
そう言い残して出て行くと、クレアは急いでハンジの元へと向かった。
「ハンジさん…兵長…」
「あっ、クレア、ちょうど良かった!」
今度はクレアがタオルを渡しながらハンジ達を出迎えた。
「あ、あの…リーブス商会にエレンとヒストリアを誘拐させたのってこの人達なんですか?」
ケイジとパドリックが抱えている男の顔には見覚えがあった。
「あぁ…そうだ。でも、この2人がボスってわけではなさそうだよ。まだ上がいる…」
「そう…なん…ですか……」
この天候にかこつけて馬車を転落させた様だ。
川に落ちてびしょ濡れになって気を失っていたのは、ニックを殺したであろう中央第一憲兵のサネスとラルフだった。
「ここで、目覚められたら困るな…ケイジはパドリックと一緒にラルフを地下牢に連れて行ってそのまま見張り。もし目が覚めたらサネスは別の場所に拘束したと伝えて。モブリットはサネスを例の部屋に連れてって。ニファは私達と一緒に来て!サネスの喋った事を全部記録するんだ。」
「は、はい!」
「もちろんクレアもこっち!急ごう!」
「分かりました!!」
パドリックがモブリットにサネスを渡すと、二手に別れてそれぞれ準備を始めた。