第61章 104期との距離
「はぁ…あぁ…ダメです…声が…出ちゃいます…ん、んん…!!」
首元に噛みつかれ、両胸の頂を指先で摘まれたクレアはシンクの縁にしがみつきながら必死に立っているが、ビリビリと痺れる甘い快感に、今にも崩れ落ちてしまいそうだ。
「…少しくらい気にするな、ただあまりでかい声は出すなよ。」
「んん…ん、そんなぁ……」
リヴァイは何も分かっていない。
その舌が、指先が、自分に触れるだけで、いつも焼かれてしまいそうな、そして熱くて溶けてしまいそうな快楽で埋め尽くされて、何も考えられなくなってしまう。
声を我慢するなんて、そんなに簡単な事ではないのだ。
そんな気持ちをリヴァイは知ってか知らずか、お構いなしに何度も絶頂へと導いてくれてしまう。
「あぁ…はぁん…!ん、んん……」
少し悔しい気持ちにもなったが、こうしてリヴァイは自分のために労いの言葉をかけ、嫌な記憶を消そうとしてくれている。
本音は、早く今日の事は忘れてしまいたい。
いつまでも自身の記憶に残しておくのはいやだ。
今夜は、素直に甘えてみてもいいのだろうか…
「あ、あの…へいちょう…?」
「なんだ?」
「お、お願いがあります……」
「…珍しいな…いったいなんだ?」
こういった行為をしている最中に、こんな事を言い出すなんてもしかしたら初めてかもしれない。
リヴァイの胸は思わぬ出来事に少しざわついた。
「へいちょう…私…もう兵長が…欲しいんです。」
「……!?」
「し、して下さい……」
そう言って耳まで真っ赤にしたクレアは膝下丈のスカートの裾をおずおずと捲って見せた。
「クレア…?」
「は、早く…忘れたいんです…私の中を、兵長でいっぱいにして下さい…」
あまりにもストレートな誘い方に、リヴァイの下半身はドクンと脈打ち硬くなる。