第61章 104期との距離
「部下にはもう少しここで横になっててもらう事になる…ん…?」
リヴァイは気を失ってる男達の方を見ると、1人目を覚ましていた。
「ハァ…ハァ…君の声、可愛かったなぁ…こんなに可愛い顔をして、可愛い声で鳴くなんて、反則だよ?君のせいで…俺は今大変なんだから…」
「………」
目を覚ましたのはクレアに手を出していた男だった。
涎を垂らして厭らしい目つきで息を荒げながら見つめられ、クレアはあまりにもの気持ち悪さに思わず顔が引き攣ってしまった。
「ねえ…なんとかしてくれよ…」
そう言いながらうつ伏せのまま腰周りをヘコヘコと地面に擦り付けている。
何をしているのかが分かってしまい吐き気が込み上げてしまう。
すると、リヴァイはツカツカと男の元までいき顔の前でしゃがみ、頭の短い毛を力任せに鷲掴んで持ち上げると、厭らしく緩んでいた顔が一気に苦痛の表情へと変わる。
「そういや、さっきはコイツをいいように弄んでくれたな?不潔な手で撫で回した挙げ句に汚ぇ舌で舐め回しやがって…さすかに礼をしないとな……」
「な、なんだ……ぐぁぁぁっ!!」
そう言うと、リヴァイは掴んでいた手を離し立ち上がると、思い切り男の頬を蹴飛ばし再び気絶をさせた。
「…ったくふざけんじゃねぇぞ、汚ぇクソジジイが……どうしたんだ?お前らも急げ、一旦出るぞ。」
「は、はい!!」
ポケットからハンカチを出して男に触った手を神経質に拭き取りながらリヴァイは早く外に出るように命じた。
涼し気な顔をしていたが、やはりクレアに触れた男は何が何でも許せないのだろう。
渾身の一撃をお見舞いして多少気が晴れたのか、その足取りはどことなく軽快に見えた104期だった。
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「なぜわざわざこんな所まで連れてきた?」
「ここがどこだかわかるか会長?」