第61章 104期との距離
「…!!」
自分に攻撃許可が出たということは、倉庫の中はこの目の前の男1人なのだろう。
そういう事なら拘束された状態のクレアでも攻撃が可能だ。だが、それはハイリスクな攻撃になるために相手の隙を狙う事が絶対条件。
だが、動けないのをいい事に好き勝手してくれたこの男相手に、負の感情でいっぱいだったクレアは失敗する気など微塵もなかった。
クレアは小さく深呼吸をすると、全身を戦闘モードへと切り替えた。
「ねぇ、ほら…気持ちいいだろ?我慢なんてしないで早く可愛い声を聞かせてよ。」
クレアが戦闘モードに入ったなど気づかずに行動はどんどんとエスカレートしていく。
ついにはクレアのシャツのボタンを外そうと手をかけたのだが…
「あぁ…あぁぁぁん…!!」
クレアがビクリと肩を震わせ甘く甲高い声を上げると、背後にいた男は涎を垂らしながら口角を上げ、クレアの真向かいに立ち、甘い吐息を吐く口元に顔を近づけてきた。
「やっと鳴いてくれた、可愛い声だね?このままここで気持ちいい事しちゃおうか?もう君も我慢できないだろう?」
やっと喘いだクレアにすっかり骨抜きになった男は、ハァハァと息を荒げてすっかり周りが見えなくなっている。
「あ…あぁん…あの…わたし…が…ガマン…でき…ない…」
頬を真っ赤に染め、大きな蒼い瞳は涙で潤み、小さな唇で懸命に欲しているクレアの姿にヤラれた男の下半身は、はち切れんばかりに膨張をしている。
「わかったよ、そんなに可愛い顔をしてねだるなんてイケナイ子だね?じゃあ、これは脱いじゃおうね…」
そして完全に周りが見えなくなった男はクレアの胸元に視線を落としシャツのボタンを外し始めた。
「…あ…あぁ……」
この男の価値観など理解する気もないが、己の欲望に負け、中央からの命令で捕えた女に手を出すなど、なんて愚かな事か。