第9章 駈けだす想い
ここで押し倒されてから何分たったであろうか。
タイミング悪いことに真っ暗だった倉庫に目が慣れてきてしまった。
目の前には初めて目の当たりにする欲望で膨張した男の陰茎。
こんなモノを口に咥えさせようだなんてとても正気の沙汰とは思えない。
しかし次の瞬間、焦れたリゲルが強引に口に押し込んできた。
「おい、早くしろ!」
「ん!んんんんーー!」
クレアは悲痛の声をあげた。
口の中が圧迫され、少し生臭いような雄の匂いが鼻につく。
リゲルはクレアの髪を鷲掴みにし、乱暴に上下に動かした。
クレアの小さな口ではとても根本まで咥えることができないが、そんなのはおかまいなしだ。
──グチュッ、グチュ、グチュ──
「う……んーー、ん、ん!!」
飲み込むことのできない唾液とリゲルの先走りが混ざってクレアの口から溢れ出す。
「ハァ…ハァ…たまんねぇよ……1回出すぞ…」
上下に動かす手がスピードを上げる。
無慈悲に突かれる陰茎はクレアの喉の奥を容赦なく刺激し、今にも嘔吐してしまいそうになる。
「ハァ…ハァ…いくぞ……うぅっ…!」
クレアの頭を自身の股間に押し付けて、一瞬うめき声を上げると、ドクドクと脈打ちながら、リゲルは溜まっていた欲望を吐き出した。
クレアはいきなり喉の奥に粘度のある苦い液体を放出され、リゲルのモノを咥えこんだまま、大きくむせこんでしまう。
「ガハッ!……カハッ!」
「おい、行儀が悪いな。ちゃんと飲み込め。」
両頬を力任せに掴まれて嚥下を強要される。
目をかたく瞑りながら飲み込むが、身体全体が拒否しているのだろうか、食道の真ん中の辺りで止まっているような感じがしてムカムカと吐き気がこみ上げてきた。
「ザズ、交代だ。」
持っていたナイフを渡すと、今度はザズが木箱に腰掛け、準備を始めた。
「クレア。手抜くんじゃねぇぞ。」
今度はザズの番らしい。
ボサボサになっているクレアの髪を掴むと、再び口に押し込んだ。
「うぅ……んー、んー。」
ものすごい圧迫感に顎が痛み、声が出せないなりに必死に訴えるが、この2人がそんな事を気に止める様子など微塵もなかった。