第9章 駈けだす想い
「えっと…クレアのことですか?すみません!厩舎から走って出ていってしまったので…どこまでいったのかはわかりません…あの…何か問題ですか?」
「ごめん!フレイア!また後で!!」
2人は血相を変えて踵を返すと、走っていってしまった。
「リヴァイ…!クレア、もしかして…」
「あぁ、あいつはお前の名前で誰かに呼び出されたみてぇだな。まずいことになってなきゃいいが…とにかく怪しそうな所全部しらみ潰しにするぞ!!」
「う、うん!………クレア……お願い、無事でいて…」
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予備馬の馬具倉庫で、クレアは悲鳴にもならないうめき声を、虚しく漏らしていた。
「んーー、んー!…うぅ…」
馬乗りになってる新兵はクレアの胸の尖端を執拗に弄び、酒臭い息を吐きながら首や肩を下品に舐めまわす。
クレアは嫌悪感で身体を強張らせ、ビクビクさせるが、かえってその仕草が運悪くも男の興奮を煽ってしまう。
「やべぇな、もう我慢できねぇ。ザズ、こっちに連れてきてくれ。」
「おい、リゲル、順番だからな、早く済ませろよ。」
「うるせぇな、わかってる。」
そうだ、この新兵の名前はリゲルだった。
2人とも、シガンシナ区襲撃からの編入組で、訓練態度は悪くなかった……それなのに……どうして…
リゲルは木箱に腰掛けるとカチャカチャとベルトを外し始め、欲望に滾った男のモノを取り出した。
クレアはザズからジャケットと、ボロボロのシャツを全て剥ぎ取られると、両手首を後ろにまわされて、拘束されたままリゲルの前に膝立ちにさせられた。
「おい、いいか、でけぇ声を出すんじゃねぇぞ。」
同時にパチンッと何かを弾く音がしたかと思ったら左の首筋に冷たい感触を感じた。
見なくてもわかる。ナイフだ。
仕方なくクレアはコクコクと頷くしかなかった。
リゲルはクレアの口に詰めたシャツの切れ端を取り除くと、ナイフを持っていない方の手で頭の髪を掴み、自身の股間まで近づけた。
「咥えろ、わかってると思うが、歯をたてるんじゃねぇぞ。」
クレアは悔しかったが、この状況では従う以外に選択肢はなかった。