第61章 104期との距離
「兵長…??」
「まぁ、少なくともアイツらは俺を裏切ってクレアに手を出せるほど神経イカれてないのは確かだ。」
「で、では、紅茶の淹れ方も上手になったわけですし、少しは優しくしてあげて下さいね…?」
クレアは寝返りをうってリヴァイの方を向くとシャツの袖を掴んで改めてお願いをした。
「…………」
小さな手で袖を掴み、真剣に頼み込んでくるクレア。
そんなに104期がかわいいのか……
少し妬ける気持ちもあるが、2人の関係を知っているなら悪さもしないだろう。
なんとか自身を納得させたリヴァイだったが、もう今はそれどころではない事に気づく。
「なんだよそのねだるような顔は…」
「え…べ、別に私はねだるとか…そんな事は…ただ104期のみんなに優しくして下さいとお願いしたまでで…」
ねだるだなんて言葉を使われてしまうと、なんだか淫らなイメージをしてしまったクレア。
慌てて否定をするが、リヴァイは何かスイッチが入ってしまった様だ。
「もっと普通に言えねぇのかよ…」
「ふ、普通に言いましたよ…!!」
クレアからの可愛いおねだりに、いかがわしい気分になってしまったリヴァイだったが、自身もクレアも見張り当番がある。
「はぁ…これだからお前は無自覚で鈍感なんだ。一生治りそうもねぇな…ところで、今夜の見張りは何時からだ。」
「え?えと…確か12時からです。兵長は何時からですか?」
「俺は3時からだ。そしたらほら、もう寝るぞ。」
本当はこの滾る欲望のままにクレアをベッドに沈めてしまいたいが、この緊張状態の中寝不足にさせるわけにはいかない。
リヴァイはすんでのところで我慢をすると、クレアを抱き寄せて布団をかけた。
「あの…私部屋に戻ります。夜中に兵長起こしてしまうと申し訳ないので……」
クレアは起き上がりベッドから出ようとしたが、リヴァイはそれを許さなかった。