第61章 104期との距離
「おい、うるせぇぞクソメガネ…時間がねぇんだ。さっさと行け。」
「へ、兵長…」
溜息をついたリヴァイは眉間にシワを寄せながら無理矢理クレアをハンジから引き剥がした。
「くぅ〜!!リヴァイはいいよね!!どうせ今夜はクレアと一緒に寝るんでしょ!!」
「それの何が悪いんだよ?」
「ハ、ハンジさんも兵長も…!こんな所でやめてください…」
シレッと問題発言を連発する2人にクレアは変な汗をかきながら止めに入った。
「あぁ?!元はと言えばお前がハンジに変な色目使うからこんな事になってるんだろ?」
「そ、そんなぁ……」
周りを見ると皆クレア達から視線をそらして気不味そうにしているが、ケイジとパドリックあたりがクスクスと笑いを堪えている様に見えるのは気のせいだろうか。
「た、確かに…ハンジさん達とはしばらく別行動になってしまうので寂しく思ったのは事実です…ひ、引き止めるような事をしてすみませんでした…ですが、あの…皆さん本当にお気をつけて…!!」
クレアは無事に合流できる事を願いながら何度も頭を下げた。
「クレアこそ、大事な役が待ってるんだから…でも無茶だけはしないでね?!」
「は、はい…!!」
クレアは敬礼で応えると、ハンジは頭をクシャクシャと撫でてから小屋を後にした。
「…お前ら、今夜の見張りの当番の確認はできてるな?くれぐれも寝坊するなよ…特に俺の後に来るのは誰だ?……コニーか…1分でも遅刻するんじゃねぇぞ…」
「は、はい…!!」
ドスのきいた声で忠告をされたコニーは、慌てて敬礼をして返事をした。
「そしたら解散だ。各自寝れる時間にキチンと寝ておけよ。身がもたねぇからな…ほら、クレア…行くぞ……」
「え…?えぇ?!」
リヴァイはずるずると引きずるようにクレアを自身の部屋へと連れて行くが、2人の関係が明らかになった今、誰も慌てる者はいなかった。