第61章 104期との距離
「あ、あの…ヒストリア…私も1つ質問したいんだけど…いいかな?…兵長と私って…そんなに…なんて言うんだろう…その…怪しく見えてたの?」
一応クレアは公私混同をしないような行動を心がけていたし、リヴァイも自室では強引な事をするが、人前でベタベタとする様な事はしてこない。
それでも、怪しまれてしまうというのはいったいどんな場面からなのだろうか。
クレアは正直に聞いてみた。
「まぁ…そうですね、どちらかというと、クレアさんからというよりは兵長の行動でみんな疑問に思ったのかと…ジャンやコニーと仲良く話してたりすると不機嫌な顔でクレアさん連れて行ってしまいますし、104期でなくても、クレアさんが他の男の人と話してるのを物凄い怖い顔で睨んでた時もありましたので自然と私達の間では噂になっていました…」
「そう…だったんだ…よく分かった。」
以前ケイジからも似たような事を言われていたため、きっとリヴァイの独占欲の強さが、2人の関係を怪しまれるきっかけとなっていたのだろう。
疑惑の出所がはっきりとしたが、だからといってリヴァイのあの独占欲をどうにかさせるのはきっと無理だ。
残念ながらクレアのモヤモヤは晴れることはなかった。
「じゃあ、私先に行きますね!みんなにも教えてあげなきゃ!!」
呆然と立ち尽くしてると、ヒストリアはミントの入ったザルを抱えて小屋の扉を開けた。
「えぇ!!まっ、待って!みんなに何を話すの?」
「え?決まってるじゃないですか?!クレアさんが、年上だからって気を遣わなくていいと言って下さった事ですよ。」
「そ、そう…そうよね…!!」
「勿論、リヴァイ兵長との事も伝えておきますね!!」
「え!!ちょっ…と、待って……」
しかし、ヒストリアはパタパタと急いでキッチンへと向かってしまった。