第61章 104期との距離
「あ、あの…クレアさん!!」
「ん?」
「そしたら1つ、おうかがいしたい事があるのですが…」
「え??」
「質問してもいいですか?」
笑顔になったヒストリアの顔が再び真剣な顔つきに変わる。
いったい何を聞かれるのだろうか。
「う、うん…別にいいけど…な、何かな?」
恐る恐る返事をすると、ヒストリアは少し鼻息を荒くしてストレートに質問を投げこんできた。
「た、単刀直入にうかがいます!リヴァイ兵長とクレアさんは…そ、その…つ、つ、付き合っているですか?!!」
「え、えぇ…?!」
ヒストリアはついに聞いてやったと言わんばかりに胸を張ってドヤ顔をしている。
ずっと104期の間で噂になっていた事だ。
だが、とてもじゃないがリヴァイに聞く事なんてできないし、だからといってクレアに直接聞くこともはばかられたため、噂は噂のままだった。
ヒストリアは今回の作戦では戦力にはなれず待っている事しかできない。
ならせめて、クレアとうちとける事ができた今、自分がこの疑問を解決する役を買って出るべきだとヒストリアは思った様だ。
クレアは戸惑った顔をしているが、怒ったりはしないだろう。
ヒストリアはクレアの口からつげられる答えを、真剣な眼差しで見つめながら待った。
一方、クレアはまさかの質問に戸惑ったが、今さっき自分の口で“気遣いはしないで欲しい”と言ったのだ。
答えないわけにはいかないだろう。
クレアは真剣な眼差しで自身を見つめてくるヒストリアに向かって、重い口を開いた。
「う、うん……なんか自分から言うの凄い恥ずかしいけど…つ、付き合っています…」
少し俯きながら答えると、ヒストリアの顔はパアっと明るくなった。