第60章 新・リヴァイ班、始動
「(あぁぁん…あん…!!ソコ…ソコだめ…で…す…)」
「(ソコが“いい”の間違いだろ。嘘をつくとお仕置きだぞ…)」
「(そ、そんな…あ、あ…!あぁぁん…!!)」
ホントにどうすりゃいい!!!
ジャンは心の中で叫ぶ。
ここで立っていたって、クレアの艶めかしい声を聞いた身体が15歳らしい反応をしてしまうだけだ。
そんな姿を誰かに見られるのはマズい。
だが、サシャにもコニーにも自分が報告に行くと言ってしまった。
なんの理由もなしに戻るわけにはいかない。
「!!!」
だがその時、奇跡的にこの状況を打破できそうな理由が閃いた。
「兵長は、部屋にいなかった事にしよう…」
そう、ナイスアイデアだ。
いなかった事にして戻り、少し時間がたってからまた来れば良いのだ。
なんでこんな事に気づかなかったとため息をつきながらその場を立ち去ろうとしたのだが、とんでもない展開にジャンは背筋を凍らせた。
「ジャーン……兵長の報告まだですか?いったい何やってるんですかぁ?」
「おいそんな所で何やってんだよ!早く報告終わらせて休憩にしようぜ。」
こちらに向かってやってきたのはサシャとコニーだった。
きっとなかなかリヴァイを連れてこないから待ちきれなくて2人でやってきたのだろう。
今この2人に来られたらきっとロクな事にならないと思ったジャンは必死にジェスチャーで“こっちに来るな”とアピールするがサシャもコニーも素っ頓狂な顔をして頭の上には疑問符を浮かべている。
ジャンのジェスチャーはまったくもって伝わらなかった様だ。
「どうしたんですか?ジャン。早く中に入らないと!」
ジャンの制止も聞かずにサシャはズカズカとこちらに向かってくると、拳を振り上げノックをしてしまった。
ーコンコンッ!ー
「サシャ・ブラウスです。兵長、掃除終わりました!!」
サシャは中からの返事も待たずに扉を開けてしまった。