第60章 新・リヴァイ班、始動
「なんだよ…拗ねんなよ……」
「す、拗ねてなんかいません……!!」
そう言って口を尖らせながら慌てて視線をそらすクレア。
立体機動の訓練では、頭のネジが1本外れたようなカタにハマらない飛び方をして度肝を抜かれ、また鋭い洞察力に驚かされる時もある。
だが、時折こうして見せる子供っぽい反応。
これでは今年入ってきた104期の新兵より年下なのか年上なのかまったくわからない。
でも、こんな可愛く拗ねた様な姿を見せられて黙っていられる程リヴァイは紳士ではなかった。
「そうかよ…それならそれでいい。」
そう言うと、リヴァイはクレアを抱き上げベッドまで連れていきそっとおろす。
リヴァイの自室にある広めのベッドとは違い、人1人が寝れるだけの狭い幅しかない。
なんだかそれだけでいつもより距離が近く感じて、クレアの心臓はドキドキと騒がしくなってしまう。
「兵長…?」
「エレンの容態はどうなんだ?」
「えと…意識はまだ戻っておりませんが…肉体の再生は順調に進んでると思います。あとは目覚めるのを待つだけだと…思います…」
「そうか…了解した……」
すると、クレアの顎を掴んでリヴァイは少し強引に唇を奪った。
「ん…?!……んん……」
隙をついて舌をねじ込めば、湿度の高い淫らな吐息がリヴァイの鼓膜を刺激する。
少し苦しそうに吐息を漏らすその刺激がもっと欲しくて激しく舌を絡ませると、飲み込みきれなかった2人の唾液がクレアの口の端から溢れて頬を伝った。
一旦唇を解放してやると、懸命に酸素を取り入れながら潤んだ瞳で見つめてくるクレア。
クレアの頬を伝っている唾液を親指で拭ってやると、リヴァイはその指をぺろりと舐めて見せた。
「あ、あの…兵長、私、戻ります。」
「あぁ?戻るってどこにだ?」
このままリヴァイのペースに流されてしまったら危ない。夕飯ができれば誰かが呼びに来るはずだ。
こんな所を見られるわけにはいかないと思ったクレアは無理矢理に身体を起こした。