第60章 新・リヴァイ班、始動
「ったくアイツらの淹れる紅茶は、ただ茶色い色のついただけの湯だ…飲んでられっか…」
アイツらとは、104期の事だろうか。
色のついただけの湯とは…
クレアはそこまで不味いとは思わなかったが、リヴァイはなんとも厳しい採点だった。
「おい、聞いてるのか?あとで紅茶の淹れ方でも教えてやれ…」
「そ、それは構いませんが……」
「何だよ、何か問題でもあんのか?」
「あ、いえ…そういう訳では…ただ、さっき調理や掃除を手伝おうとしたら断られてしまったので…」
クレアはどうして断られたのか分からなかったが、リヴァイにはすぐに理由が分かった様だ。
「そんなの簡単だ。お前が年上だからだろ?」
「え…?」
「クレアは102期、アイツらは104期。しかも年齢は5歳も離れている。避けてるとかではなく、単純に年上の兵士に手伝わせるのは失礼だと気を遣ったんだろ?」
「そ、そういう事なんですかね…」
「それ以外に何が考えられるんだ?」
「あ、いえ……私、普段は兵長にハンジさんに、年上の方といる事が多いので、あまり気を遣われる事に慣れていません…なので、気づきませんでした。」
「そういえばそうだな。まぁ、お前も丸2年生き残ってる立派な調査兵だ。少しは先輩風吹かせても文句は言われないだろうよ。」
「そんな…先輩風だなんて……」
でも確かにリヴァイの言う事も間違いではない。
今まで自分が率先して下働きをしてきた事を思えばごく自然な事だろう。
ただクレアは短期間でこんなに大勢の後輩兵士と交流をするのが初めてだった為、少し戸惑ってしまった様だ。
「身長と顔は、完全にアイツらより年下だが、一応中身は年上なんだ。あとで先輩らしく紅茶の淹れ方でも教えてやれ。」
「……い、一応って……分かりました。」
リヴァイの突っ込みに少し腹を立てたが、決して間違いではないから仕方ない。
クレアは素直に返事を返した。