第60章 新・リヴァイ班、始動
「……みんな、どうしちゃったのかしら…」
たいして広くはない小屋の中をウロウロとしていたクレアだったが、104期の手伝いが不要ならハンジの所へ行くという選択肢があったと思いつき、そこへ向かうべく足を動かしたのだが…
「おい、暇そうにしてるじゃねぇか…?」
「ひっ!!」
背後からいきなり声をかけられて振り向くと、そこにはリヴァイが立っていた。
「兵長……?」
「暇なら俺の部屋に来い。紅茶を淹れてくれ。」
「あっ、でも私…ハンジさんのお手伝いに…」
断る素振りをしたのが気にくわなかったのか、リヴァイはクレアの腕を強引に掴んで引きずる様に歩き出す。
「ハンジの所にはニファ達もいるんだろ?問題ない…」
「で、ですが…!」
「文句は受け付けねぇ、さっさと歩け…」
しかし、引きずられていたらあっという間にリヴァイの部屋まで着いてしまったため、クレアはハンジの部屋に行く事は諦めて紅茶の用意を始めた。
リヴァイの使っている個室は他の部屋と同様あまり広くは無いが、湯を沸かせる様な小さなコンロが備え付けてある。
これだけでいかにもリヴァイの好みそうな部屋だと分かる。
「…お待たせ致しました。」
クレアが紅茶を淹れて持っていくと、無言でカップを取り口をつけたリヴァイ。
一口飲むと、大きなため息をついてカップを置いた。
…不味かったのだろうか?
トレーを抱えながら少し不安げにリヴァイの顔を覗き込むと、リヴァイは“座れ”と空いてるイスに目配せをした。
「し、失礼致します……」
「やっぱり俺は…クレアが淹れる紅茶が1番好きだ。」
「え…?!」
思っても見なかった言葉に変な声が出てしまった。
いきなりどうしたのだろうか。