第60章 新・リヴァイ班、始動
「まだ意識は無いけど、熱が引いてきて肉体の再生が始まったの。後は目覚めるのを待つだけだと思うわ。」
「そうですか…よかった……」
ずっとエレンの事で頭がいっぱいだったのだろう。
クレアの報告を聞くと、ミカサは首元のマフラーをギュッと握って安堵のため息をついた。
「そうだ、3人で14人分作るの大変でしょ?私手伝うよ。ん?そういえばサシャは?」
食べるのが好きなサシャの事だ。
クレアはてっきり調理係に立候補しているのかと思ったのだが、ここに姿はなかった。
「サシャはつまみぐいを堂々とやるので調理担当から外れてもらったんです…」
ヒストリアが少し気不味そうに答えた。
「な、なるほどね…じゃあなおの事人手がたりないわね。これを切ればいいのかしら?」
クレアは手伝った方が早く終わるだろうと考えていたのだが…
「あっ!ここは大丈夫ですので!」
「えぇ…?でも……」
「実験やエレンの看護でお疲れだと思うので、少し休んでいて下さい!!」
「わっ!わっ!」
クレアはアルミンに背中を押されてキッチンから追い出されてしまった。
「みんなでやった方が早く終わるのに…」
クレアは頭に疑問符を浮かべながら廊下にでると、今度はジャンとコニーと、サシャがせっせと掃除していた。
きっとおろそかにしておくと、リヴァイが不機嫌になるのだろう。
いつもリヴァイの執務室の掃除をしているのだ。
リヴァイが睨みをきかせる場所も熟知している。
ここでなら何か手伝えるだろうとクレアは声をかけたのだが…
「ねぇ、みんな掃除してるの?私手伝うよ!」
壁に立てかけてあった箒を手に取ろうとしたらジャンに取り上げられてしまった。
「いや、ここは大丈夫っすクレアさん…それよりエレンはどうですか?」
「エレンは回復期に入ったみたいで肉体ももう少しで元に戻るわ。だから大事には至ってないと思うけど…」
「分かりました、それじゃあクレアさんは少し休憩でもしてて下さい!」