第60章 新・リヴァイ班、始動
「熱っつ!!エレン熱っついな君、本当に!!」
「ハンジさん待ってって言ってるじゃないですか!!エレンから血が出ています。代わって下さい!!」
「あぁ…!こりゃすごい!さっきより強力にくっついてるぞ!!巨人の身体との融合が深くなって1つになりかけているんだ!!」
「ハンジさん代わって下さい!!」
「もし放っておいたら普通に巨人になっちゃうんじゃないかこれは?!えっ、待って!コレって試しちゃダメか?!うぉぉぉ!人としてダメか?ねぇ?!クレア〜!やったらダメか?!」
「ハンジさん!その一線を越えては絶対ダメです!人としてダメです!!早くエレンを取り出して下さい!」
ミカサの声も届かぬハンジ…
応急セットを抱えたクレアもそう叫ぶので精一杯だったが、やると決めたハンジの暴走は止まらない。
「うぉぉぉぉ!見ろモブリット!!エレンの顔が大変な事になってるぞ!!」
「あぁ、エレン…!」
「急げ!スケッチしろ!!これ元の顔に戻るのか?!後で見比べるためにいるだろ、早くしろ!」
「分隊地!!あなたに人の心はありますか?!」
「あるよ!!きっと!!多分!!」
とにかく実験の成果を少しでも残したかったハンジは必死だ。
だが、いくら引っ張ってもエレンは引っこ抜けない。
「もうこれ以上は無理だ!ミカサ!なんとかしてくれーー!!」
「は、はい!!」
ミカサはブレードをふるってなかなか離れない肉の筋を一太刀で切断すると、ハンジはエレンを抱えたまま尻もちをついてしまった。
ードサッ!!!ー
「はぁ…はぁ…ごめん…また取り乱した……」
尻を打った衝撃で少し我に戻ったハンジ。
「実験は終了だ!!総員直ちに撤退せよ!!」
エレンの顔は原形を失っているし、意識も無い。実験続行不可能なら長居は無用。
寧ろ危険が増すだけだ。
ハンジはすぐに撤退命令をだした。