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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第59章 奇行種、奔走





「はぁ…リヴァイすまなかった。クレアに手を出そうだなんて思ってはいない。ただ、腕を失って心身共に疲れ切った私に、クレアの魅力は少し目に毒だったようだ。」



「はぁ?!」



リヴァイの不機嫌な顔を見て少し冷静さを取り戻したエルヴィンは、小さく左手を上げて謝罪の言葉を口にした。



「リヴァイが気が気でない気持が良く分かるよ…クレアの可愛さは…そうだな、もはやあの魅力は罪だよ。」



「あぁ…、巨人に腕を食われて乱心一歩手前のどっかの誰かに手を出されやしないか、気が気じゃねぇな。おいエルヴィン、もう二度とあんな真似するなよ。目を瞑るのも今回だけだぞ…」



「ハハ…随分な言い方だな。まぁ、リヴァイを怒らす趣味はない。約束するよ…」



「ハッ、くれぐれも忘れんなよ…」








そんなやり取りをしていると、エルヴィンの部下が医師を連れて戻ってきた。



「団長…。目が覚めましたか…本当に良かったです。」


「先生…迷惑をかけてすまなかった。さっきクレアが包帯と点滴を変えてくれましたよ。」


「そうでしたね。では私からはいくつが問診をさせて頂きますね。」


医師がエルヴィンのカルテを開いてペンを握ると、リヴァイはエルヴィンの部下に声をかけた。


「お前、やる事ないなら駐屯兵団へ行ってピクシス司令を呼んでこい。こっちにはモタモタしている時間はないからな…」


「承知いたしました!」


リヴァイがベッドのサイドテーブルの引き出しからメモを出して自身のサインの入った伝言を渡してやると、エルヴィンの部下はそれを受け取り敬礼をして出ていった。







「エルヴィン、ついでに頭の中も診てもらっとけ…」



「リヴァイ…その件については先程詫びただろう…」



「チッ……」



「…?どうかされましたかな?」



まったく事情の分からない医師が不思議そうな表情で双方の顔を見るが、2人の事情など分かるはずもなかった。




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