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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第56章 新成ハンジ班!始動!!






「あっ、ハンジさん!お疲れ様です!どうでしたか?!」


「みんな、先に戻ってたんだね!お疲れ!いやぁ!長旅だったけど、なんとか完売する事ができたよ!」


ハンジは得意満面に完売したと皆に報告していたが、よくよく見るとモブリットの顔は疲弊しきっていた。


まぁ、モブリットがハンジと一緒にいて疲弊しない日等ない。

これが日常だ。

しかし、少し気の毒に思ったクレアとニファはモブリットにも声をかけた。



「モブリットさん…相当お疲れですね?大丈夫ですか?」



「あ、あぁ…すまない…いつもの事と言えばいつもの事なのだが……」



「ハンジさん…何か危険な事でもされましたか?」



「いや…そういう事ではないんだが……」




モブリットは疲れきった表情でポツリポツリと今日の出来事を話しだした。


ハンジとモブリットが向かったのはトロスト区の兵舎から1番遠方の農村部で往復に時間がかかるため、持ち出した資料も1番少なかった。


農村部は収穫量が生活の要となる。

冬の積雪量には関心が高いはずだ。
そう考えたいたモブリットは、資料の内容をきちんと説明すれば完売できる自信はあった。 


のだが……


別の意味で完売させる自信のあったハンジは、家屋の中に入るやいなや、ろくに自己紹介もせず一方的にこの研究の素晴らしさを語り出し、しまいには巨人愛を熱弁しだす始末。


聞いてる方もハンジのマシンガントークに次第にぐったりしていき、最終的には「頼む、金を払うから帰ってくれ」と言われてしまった。


ハンジはそれを訪問先全てでやってのけたのだ。

モブリットが訪問先に入る前に何度忠告しようと都合よく忘れ、何度も制止するが聞く耳持たず、一人劇場を延々と続けたハンジ。



当の本人は自信満々の演説で完売できた喜びにすこぶる上機嫌だが、それと正反対にモブリットはやつれる様に疲弊してしまった。



「モブリットさん……お、お疲れ様です……」



あまりにも気の毒な話にクレアもニファもかけてやる言葉が見つからなかった。



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