第56章 新成ハンジ班!始動!!
「そうだ!そういやクレア、彼氏とはどうなんだ?うまくいってるのか?」
「へ……?」
「彼氏だよ!例の年上の彼氏!もう付き合ってだいぶたつんじゃないのか?」
「そ、そうですね…1年と、半年くらいはたったのではないでょうか?」
「そうかそうか!若いってのはいいねぇ!!それなら今度連れてきな!俺がクレアに相応しい男かどうか見てやるぜ!!」
「え…??」
グレンは拳をドンッと胸に当てて豪快に笑った。
「ふふふ、グレンはね、クレアの父親気取りをしたいのよ。」
そう言い隣でクスクスと笑うマーサ。
「なんだよ?“娘はやらん!!”ってセリフ、男なら一度は言ってみてぇモンだろ?!」
どうやらグレンはクレアの父親役をどうしてもやってみたい様だ。
自分を娘の様に想ってくれるのはとても嬉しい事なのだが、その自分の連れてきた男が人類最強の兵士長だと知ったらどれ程驚くだろうか。
あのリヴァイが難しい顔をしながら店に入ってきたら、グレンとておそらく腰を抜かしてしまうだろう。
だが、それよりも何よりもクレアはリヴァイの事を誰かに紹介した事など今までにあっただろうか。
まず、リヴァイの名はこの壁内で知らない者はいない。それに、調査兵団で自分達の関係を知ってる兵士はそこそこいるが、その情報漏洩源は全て我が敬愛する分隊長だ。
自分からリヴァイとの関係を話したのはフレイアくらいではないだろうか。
「ここに連れてくるなんて…なんだかちょっと恥ずかしいですね。」
だか、いつも懇意にしてくれているビスマルク夫妻。
自分を実の娘の様に想ってくれているなら是非その気持ちに応えたい。
「恥ずかしがる事なんてないわ。美味しいハーブティーを用意して待っているから、仕事が落ち着いたら連れてきて。私達に紹介して頂戴ね。」
「わ、わかりました……」
2人の明るい笑顔につられるように、クレアも少し赤くなりながら笑った。