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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第56章 新成ハンジ班!始動!!







「気づくのが遅いんだよ……」



「いったぁぁぁぁぁ!!!リヴァイ!超いてぇーよー!!」



リヴァイが手を離すとハンジはソファに倒れてのたうち回ったが、誰も助けの手をさしのべる者はいなかった。



「おい、ケイジ!!!」



「は、はい!!!」



鋭い三白眼が今度はケイジに向けられると、ケイジは背筋を伸ばして勢い良く返事をするが、その声は悲鳴のような裏返った声になってしまった。

ハンジの命令とはいえ、客役としてクレアのあられでもない顔を見たのは事実。

そして、リヴァイの恋人だという事は承知の上だが、クレアのその潤んだ瞳で見つめてくる無防備な姿に若干下半身を熱くさせてしまったのもまた事実。



あの容姿だ。



不可抗力だろと言い訳をしたいが、今目の前にいるのは不運な事にそんな言い訳が通じる相手ではない。


ケイジはその額にジワジワと嫌な脂汗をかきながらゴクリと唾を飲み込んだ。




「ケイジ…俺の命令を聞く気はあるか?」



「は、はい……」



「ほう、話が早いな。そしたら今見たモノは全て忘れろ。いいか?今すぐ忘れるんだ。例え魔がさしてお前の右手が疼いたとしても絶対思い出すなよ?もし万が一にもそんな事をしてみろ…?夢の中だろうとどこだろうと速攻で削ぎに行くからな…」



そう言いながらケイジの鳩尾の辺りに拳をグリグリとめり込ませながら淡々と話すリヴァイ。
普段から真面目でストイックに訓練をこなしているケイジに限って、そんな事はないだろうが釘を刺しておくに越したことはない。




「しょっ!承知致しました!!」



この殺気漲るオーラ。

この尋常では無い殺気。

夢の中だろうとどこであろうときっと削ぎに来るだろう。ケイジはブルリと身震いをすると、敬礼をして魂の底から返事をした。



「はぁ…努々(ゆめゆめ)忘れる事のないようにな!」



「は、はい!!」



半ば涙目になりながら返事をしたケイジに背を向けると、今度はクレアの名を呼んだ。


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